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FDN(2022)

広島県安芸郡熊野町の筆の里工房に隣接して建設される体験交流施設のプロポーザル応募案です。

 

熊野町は江戸時代から伝わる筆の製造を産業の中心として栄えてきた筆の都です。新たな体験交流施設では筆を使った書写や絵画をはじめ、陶芸や木工、食彩、茶道といった創作活動を通して、町民や観光客が集うコミュニティ施設としての機能が求められました。また、筆を展示する筆の里工房、整備中の公園との連携にも配慮する必要がありました。

 

私たちは、筆圧によって質感が滑らかに変化する筆書きの特徴を空間構成に置き換えることで、筆の都だからこその施設を考えました。壁から屋根へと徐々に変化する襞がカフェや各体験学習工房、多目的ホール、屋根下広場など機能に応じて場の大きさを変えながらひと筆書きに繋がり、めくるめくような体験をもたらします。捲れ上がった襞は周囲の公園や中庭に開き、内部の活動を広げ外部の風景を取り込みます。

 

襞は木造の門型フレームを繰り返し放射状に並べ、それらを桁で繋ぎ回廊とするシンプルな構造です。部材長さを6m以下に抑えながら緩やかな曲面を直線材で単純化しています。

 

山々に囲まれた熊野の地勢を縮図にしたような、筆使いの特徴を想起させるようなカタチによって、熊野らしさが感じられる体験交流施設を目指しました。

敷地:広島県安芸郡熊野町/​用途:体験交流施設/​敷地面積:42000m2/建築面積:1700m2/延床面積:1535m2/構造・規模:木造 地上2階​

​​​※プロポーザル応募案 ファイナリスト

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