愛知県蒲郡市に建設される大塚保育園のプロポーザル応募案です。

 

大塚地区にある老朽化した2つの保育園を統合し、0歳から5歳までの園児110名が通う保育園を新築する計画です。私たちは、山と海に囲まれた自然の豊かさ、風土や国籍の多様性といった蒲郡の魅力をあらわし、地域に根ざした保育園を考えました。山並みのようなヤネと、三河湾のように囲い込まれた園庭のニワ、山肌に沿うように点在するイエの３つの要素によって保育園を構成し、蒲郡の風景とのつながりをつくります。

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周辺環境に応じて各イエを配置し、ヤネが全体を有機的につなぎながら、軒を丸く切り取ることでニワが生まれます。ニワは全員がわっと集まれるみんなの広場や、築山や木々が生い茂る自然の森、落ち着いて過ごせる静かな庭など、趣きの異なる園庭が園舎と混ざり合っています。イエはヤネを突き抜けて光や風を取り込み、縁側の先にはニワが広がっており、温暖な蒲郡の気候と風土に応じた保育環境をつくっています。

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ヤネはイエから垂木を持ち出す構造とし、はね出した外周部はそのまま軒となり、棟で接合する部分は緩やかに変化する尾根となって起伏のある室内を形成します。尾根は園児たちをイエやニワに誘導する道しるべであるとともに、年齢に応じた活動領域や用途をゾーニングし、郡が寄り集まるようにしてひとつの大屋根をつくる蒲郡らしい構造です。尾根はイエの合間を縫って奥まで続き、大小様々な居場所を織り交ぜながら、街道のような賑わいの場をもたらしています。

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蒲郡の自然の風景や街並みと柔らかくつながり、園児たちがいきいきと過ごせる、こどもの街のようなこども園を目指しました。